山を歩いていると、ときどき足が止まります。目の前の岩が、どう考えても不自然な形をしているとき。谷が、なぜか片側だけ丸く削れているとき。「なんでこうなってるんだろう」と思ってしまったら、もう先へ進めません。
このブログ「地球を感じる山登り」は、そういう立ち止まりを記録していく場所です。
はじめまして、ふぉっさ まぐお です
休みのたびに山へ出かけている、ただの登山好きです。
ペンネームの「ふぉっさ まぐお」は、フォッサマグナから取りました。日本列島を東西に断ち切っている、あの巨大な溝です。名前としてどうなのかという自覚はありますが、この地形への偏愛だけは本物なので、そのまま名乗っています。
登ってきた山のこと
日本アルプスを中心に、国内の山をあちこち歩いてきました。剱岳、槍・穂高、白馬から不帰キレット、南アルプス最難関と言われる鋸岳。北海道の火山群も、九州のカルデラも。娘と一緒に立山の雄山に登ったのは、個人的にかなり良い日でした。
海外では、ネパールのエベレスト街道とゴーキョ谷、ヨーロッパアルプスのモンブラン周辺、中国四川省の四姑娘山を歩いています。

なぜ「地質」なのか
エベレストの山頂付近の岩からは、海の生き物の化石が出ます。世界一高い場所が、かつて海の底だったということです。
この事実を知ってから、山の見え方がはっきり変わりました。目の前にある山は、ただそこに置かれているのではなく、プレートが動いた結果として「今この形をしている」。そう考えると、登っている最中の景色が全部つながって見えてきます。あの尖った岩峰は氷河が四方から削った跡、この谷が広いU字なのも氷が通った証拠、と。
山の成り立ちがわかると、同じ山に登っても情報量が何倍にもなります。天気に恵まれなくてもガスの中で岩を眺めて楽しめるようになったのは、たぶん副作用として一番大きい変化でした。
興味があるのは石や鉱物の細かい分類ではなく、もっとスケールの大きいほうです。プレートがどうぶつかったのか、マグマはどこで生まれるのか、氷河がどう削ったのか。日本の山がなぜここにあるのかという一番大きな問いから、個別の山の話へ降りていく。だいたいそういう順番で書いています。
このブログで書いていること
大きく2つです。
解説記事を書くときは、産業技術総合研究所の地質図、国土地理院の地形データ、それに学術論文を確認したうえで書いています。専門家ではないので、あくまで「登山者が理解できる粒度に噛み砕く」という立ち位置です。写真は基本的に自分で撮ったものを使っています。
とくに好きなもの
カクネ里雪渓
北アルプス・鹿島槍ヶ岳の東面に、日本で数少ない現存氷河のひとつ「カクネ里雪渓」があります。ここを見るためだけに、真冬の遠見尾根に三度通いました。
厄介なのは、条件が揃わないと姿を見せてくれないところです。冬の稜線でテントを張って、翌朝ガスが晴れるのをひたすら待つ。晴れなければ、そのまま降りる。三度通ってようやく納得のいく一枚が撮れました。その記録はこちらにまとめています。

水月湖の年縞
もうひとつ、山ではないのですが。福井県の年縞博物館は日本で一番好きな博物館で、こちらも三度行きました。
水月湖の湖底には、7万年分の縞模様が1年も欠けずに積み重なっています。この縞が、世界の年代測定の基準になっています。7万年という時間が、45メートルの実物として目の前に展示されている光景は、何度見ても圧倒されます。年縞の話はこちらに書きました。
中の人について
平日は電気回路の設計をしています。地質とはまったく関係のない仕事ですが、「観測された現象には必ず物理的な理由がある」という考え方の癖は、たぶんここから来ています。山の形を見て理由を探してしまうのも、根っこは同じかもしれません。
専門家ではないので、記事の内容に誤りを見つけられた際はぜひ教えてください。根拠となる資料を確認したうえで、修正して反映します。
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山に登る予定がある方も、当分ない方も。読んだあとに山の見え方が少し変わっていたら、書いている甲斐があります。
