山に登ると、歩いた軌跡がGPSログとして手元に残ります。ヤマレコやYAMAPの地図で見返すと確かに線は引かれているのですが、平面の地図だと「あの登りのツラさ」がどうにも伝わりません。稜線のどちら側を歩いたのか、山頂までどれだけ高度を稼いだのか、線を見ても思い出せないことがあります。
そこで、GPSログを置くだけで歩いた軌跡を立体の山に描くツールを作りました。名前は「ルートレリーフ」。レリーフには地形の起伏という意味と、浮き彫りという意味があって、どちらもこのツールがやっていることそのものです。

ツールはこちらです。無料で、会員登録もアプリのインストールもいりません。
やることは1つ、GPSログを置くだけ
使い方は本当にこれだけです。山行アプリから書き出したGPSログのファイル(拡張子が .gpx のもの)を、ページの枠にドラッグするか、ボタンから選びます。すると軌跡を囲む範囲の標高データを国土地理院から集めてきて、地形を立体に起こし、その上に軌跡を描いて、山名と数値を載せた記録票を組み立てます。ここまで全部自動で、設定するものはありません。
できあがった画像は「画像を保存」で高解像度のPNGとして手元に落とせます。時間帯(夜明け前・朝・日中・夕方・日没後)で光の当たり方を変えたり、表示する山名の数を変えたりもできますが、初期設定のままでも十分に見られる絵になるように調整してあります。
ひとつ知っておいてほしいのは、ファイルがどこにも送信されないことです。処理はすべてあなたのブラウザの中で完結します。軌跡の座標も、山名も、生成した画像も、端末の外には出ません。自宅の近くから歩き始めたログでも気にせず使えます。
山行アプリからGPSログを書き出す手順
ツール自体は簡単なのですが、「GPXファイルってどこにあるの?」で止まる方が多いと思うので、主な3つのアプリについて書き出し方をまとめておきます。いずれも自分の記録であれば無料で書き出せます。
ヤマレコ
アプリなら、山行記録を開いて右上のメニューから「GPXファイルをダウンロード」を選びます。パソコンのブラウザなら、山行記録のページにある「地図出力/その他の機能」から「GPXファイル」を選ぶとダウンロードされます。詳しい手順はヤマレコの使い方ガイドにあります。
YAMAP
アプリなら、活動日記を開いて右上の編集メニュー、または日記の中段にある「GPXデータ」からエクスポートできます。パソコンのブラウザでは活動日記のページで「エクスポート」を押します。自分の活動日記なら無料ですが、他の人の日記からの書き出しはプレミアム会員限定です。YAMAPヘルプセンターに公式の案内があります。
Strava
Stravaはアプリからは書き出せないので、スマホでもパソコンでもブラウザで strava.com を開きます。アクティビティのページで「…」メニューを開き、「GPXをエクスポート」を選ぶとダウンロードされます。iPhoneの場合は「ファイル」アプリの「ダウンロード」に入ります。
書き出したファイルは、パソコンならそのままツールの枠にドラッグ、スマホなら「ファイルを選ぶ」から選択します。1回の山行が1ファイルになっているものが、いちばんきれいに描けます。
こんな絵になります
山の形と季節によって、まったく違う表情になります。3つ並べてみます。

由布岳は周囲に遮るものがない独立峰なので、山の形がそのまま絵になります。ログの日付が5月だったので、山肌は新緑の色で描かれています。これは手動で選んだのではなく、日付から季節を推定して色を決めています。

白馬岳は山名を5つ表示する設定にしました。杓子岳、裏旭岳といった周囲のピークが標高付きで入るので、稜線のどこを歩いたのかが後から見ても分かります。白馬大雪渓から不帰キレットへ抜けた縦走記録のような長いルートでも、1枚に収まります。

天狗岳は2月のログです。日付から雪線を推定して、山全体が雪の色になりました。時間帯を「夕方」にすると太陽が低くなり、斜面の陰影が長く伸びます。同じログでも時間帯を変えるだけで印象がかなり変わるので、いくつか試してみてください。
使えないケース
対応しているのは日本国内の山行だけです。国土地理院の標高データが国内にしかないためで、海外のログを入れると「日本国内の山行に対応しています」と表示されて止まります。また、複数日の縦走ログや、GPSが大きく飛んでいるログは、軌跡の範囲が広がりすぎて山が小さく写ることがあります。1日分ずつに分けると見やすくなります。
スマートフォンでも動きますが、計算量が大きいので古い機種では時間がかかるか、途中で止まることがあります。確実なのはパソコンのブラウザです。
生成した画像の扱いについて
生成した画像は自由に使ってもらって構いません。SNSに載せる、自分のブログの山行記録に貼る、印刷して飾る、どれも問題ありません。画像には出典として国土地理院の標高タイルとOpenStreetMapを使っていることが小さく入っていますが、これは元データの利用規約上必要なものなので、そのまま残しておいてください。
もし使ってみて「この山だとうまく描けない」「ここが見にくい」といったことがあれば、コメントかXで教えてもらえると助かります。地形の描き方はまだ改良の余地があって、実際のログで試してもらうのがいちばんの検証になります。
このブログの登山記録にも、順次このツールで作った1枚を添えていく予定です。


